中古マンションを買うときのメリットは現在進行形の住まいを選べることです。新築マンションでは「建設会社が計画している理想」を基準に運営を判断しないといけません。実際の状況を冷静に判断して購入をするか選択できることが中古マンションを買うことが一番のメリットといっても過言ではありません。
今までの経験を元に、どこをポイントに良し悪しを決めるか、何を見て判断すればいいか、これからご紹介する5つのポイントは最低抑えておきましょう。
- 修繕積立金、管理費の金額
- 長期修繕計画
- キッチン、お風呂の交換履歴
- 窓お風呂のカビ
- 隣人との関係
①修繕積立金・管理費の金額
管理費、修繕積立金は実際の支払いに直結する重要なポイントであることは間違いありません。只々安ければいいという訳ではありません。高いのか、安いのか、どう判断すればいいかわからないという方は参考にしてください。
修繕積立金の目安金額
国交省から令和3年9月に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」について改訂された内容の中に修繕積立金の目安が出ていますので参考にしてみよう。色々な前提が書いてありますが、ざっくりまとめるこんな感じです。
- マンションの延べ床面積5,000㎡以下のマンションと20階以上のタワーマンションでは、
平均月々約335円/㎡(専有面積)※専有面積:パンフレットに書いてある部屋の面積 - マンションの延べ床面積5,000㎡以上10,000㎡未満、20,000㎡以上では、
平均月々約255円/㎡(専有面積) - マンションの延べ床面積10,000㎡以上20,000㎡未満では、
平均月々約270円/㎡(専有面積)
規模によっても違いますが、70㎡の部屋の場合、
約17,850円~23,450円が目安になります。
管理費の目安金額
国交省の「平成30年度マンション総合調査」によると、関東では平均で16,096円となっています。細かく調査内容があるので、参考にしてみてください。
金額目安を元にどうやって検討するのか。
修繕積立金についてマンション毎に内情を把握し、分析することはとても難しです。しかし、目安金額を元に安いのであれば、今後値上げがあるかもしれないと考えてみる必要があるかもしれません。
逆に高ければ、修繕費用がなぜ高くなっているのかを仲介人に調べてもらいましょう。納得できる理由が見つかればそれでいいと思います。
管理費についても同様に何故目安金額よりも高いのか、安いのかが明確になっている物件であれば、あとは納得できるものかどうかということになります。
単純に高い安いということではなく、適正な金額になっているマンションは、必ずと言っていいほど、関心をもって取り組んでいる所有者の方がいらっしゃいます。そういう方が所有しているマンションだと、管理会社の提案を鵜吞みにせず、しっかりと検討をしているケースが多く、相見積もりを取り管理会社自体や修繕工事の見直しがされているなど、適正な管理を所有者が率先している傾向でした。
管理や維持に関心を持って取り組んでいる所有者がいるマンションかどうかが重要です。そういう方がいるマンションでは、所有者の方が~さんがいつもしっかりやってくれている。。など、住んでいる方が詳しい場合が多いので、そういった情報を参考にしてみるといいでしょう!
②長期修繕計画
長期修繕計画とは、マンションを維持していくために必要な修繕計画のことです。どのような工事をどれくらいの周期で行い、どのように資金調達すれば建物を維持していけるかを元に修繕積立金をいくらに設定するかが示されています。
長期修繕計画はその名の通り「計画」なので、その通り実行されていない場合や、見直しをされていることがほとんどです。国交省からのガイドライン改訂もあり、マンションによって内情は様々です。
内容を見てもわからないと思うかもしれませんが、計画が正しいかという点ではなく、修繕積立金の値上がり予想推移をしっかりと確認しておきましょう。
比較的新しいマンションでは、値上げをしないで維持していく計画を立てている物件も多くなりましたが、10年以上前に建っているマンションでは、値上げを前提として計画されていることがほとんどです。なぜなら、【”最初は”「ランニングコスト」が安い方が売れる】から。これに尽きます。新築時の販売戦略として金額を調整されていることが多く、値上げをどのように検討していくべきなのかリアルに描いてあるものが長期修繕計画です。検討しているマンションで、どれくらい固定費が高くなるのか知っておくことはとても重要なので、確認するべきです。
そもそも長期修繕計画がないというマンションは、管理上かなり危ないと判断してもいいと思います。私自身もそういったマンションはあまり紹介していませんでした。
詳しく管理について知る必要なありませんが、妥当かどうか、金額をどれくらい払っていく必要があるのか、生活に直結している部分はしっかりと把握すべきでしょう。
③キッチン、お風呂の交換履歴
キッチンとお風呂の修繕や交換は室内で一番お金が掛かりやすい部分といっても過言ではありません。対応年数で言うと15年前後です。築年数と比べて交換が必要な時期を検討してみるのは重要です。購入後すぐ壊れてしまうことになりかねません。また丸っと交換をする場合それぞれ100万円近くかかることもあります。
物件を購入する場合、引っ越す前にリフォームを検討することができるタイミングです。住んでるときにリフォームをするよりも、住んでないときにリフォームする方が費用が多くかかります。工事期間が延びたり、大きな工事があると仮住まい費用が掛かったりとか、想定以上に費用が掛かる場合があります。
水回りは壊れると費用が掛かるし大変!現金で物件を買う人は少ないと思いますが、住宅ローンを検討する際にローンを借りる際に一緒に借り入れできることもありますので、しっかり検討が必要です。
そのため、購入をする物件でリフォームが必要か考える際に一番お金が掛かるところを起点に検討することが重要です。中古マンションを買う場合は、①そのまま使う、②一部リフォームする、③全部リフォームする、と選択しが広いです。費用を考える上でも必要なので合わせて考えましょう。
④窓際、お風呂場のカビ
中古物件を買う際には、売主がどう使っていたかによって傷み具合が違ってきます。売る際にきれいにしていても、窓際やお風呂場のカビがひどい場合、普段の清掃やメンテナンスがしっかりされていない場合があります。見た目がよくても、実際壁や床の下はボロボロでは、せっかくきれいに使ってもあまり意味がありません。買った後にこんなハズでは・・・なんてことも。
窓際のカビやお風呂場のカビが出ているということは、水回り部分の掃除があまりされていないこと、換気がしっかりされていないこと、が考えられます。購入後3カ月以内に何かがきっかけで木部の腐食や水回りの配管の故障がわかれば、売主に請求できることもありますが、それ以降に発覚することもあります。
内装をフルリフォームしないのであれば、見えないところの痛みが少ない状況の物件を選びたいものですね。生活をしているとこれくらいでいいやということがよくあると思います。しかし、人によっての清潔感は違いますし、長く住んでいるとどうしても気にならなくなるものです。表面的な部分であれば直せばいいですが、見えないところは本当にお金が掛かるので、よく注意しましょう。
⑤隣人との関係
どんなにいい物件でも、近隣トラブルがある物件では快適な生活はできません。とても信じられない話ですが、本当にあった話をご紹介します。
音のトラブルで上の階と揉めている方がいらっしゃいました。生活音がうるさいと上の階の人がものすごい足音で歩くことや物を叩きつけることもあったそうです。口論の後に分かり合えないと出ていくことを決め先に引っ越しをしてから売却活動をしていました。そのことを知っていた上の階の人が、昼間誰もいないはずの部屋から物音がするとベランダの非常階段を下りて中を覗きに来たのです。物音がしたのは不動産屋の担当が掲載する写真を撮影したり、物件の状況を確認するために室内を見学させてもらっている際の歩行音でした。ちょっと間違えば事件です。
集合住宅であるマンションでは、生活音や匂いなどのトラブルはよく起こりえるトラブルです。しかし、新築時はどんな人が住むのか全く分かりませんが、中古で物件を買う際には噂話や売主から話を聞くなど、とんでもないトラブルに巻き込まれないように回避する方法があります。
重大な事実を伏せて契約をすることは、良心的にも契約としても不適切です。しかしあまり考えたくはないですが、事件性がないのであれば、買主に黙っているようにアドバイスをする仲介人もいます。生活をしているとわかることやトラブルがなかったかなどはしっかり確認してもらうように心がけましょう。
まとめ
絶対押さえておきたい5つのポイントは、
いい物件が見つかったな!と感じたとき見落としてしまわないよう気を付けて確認すると後々後悔が少なくなると思います。もちろんすぐに決めなきゃいけないという瞬間もあるかもしれませんので、検討する際には予め質問をして調べてもらうこともお勧めします。
是非物件探しの参考にしてもらえると嬉しいです。
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